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【東京博善】当社火葬場職員への取材内容がグリーフケア研究書籍に掲載 ~黒川雅代子氏編『遺族の悲嘆とあいまいな喪失―看取りと弔いがもつ意味―』に収録~

2026.10.05 お知らせ

 当社のグループ会社である東京博善株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:野口龍馬)の職員への取材内容が、このたび、グリーフケア(死別悲嘆支援)の研究・実践で知られる龍谷大学社会学部教授・黒川雅代子氏編『遺族の悲嘆とあいまいな喪失―看取りと弔いがもつ意味―』にコラムとして掲載されました。

 掲載されたコラムでは、新型コロナウイルス感染症流行下における火葬対応をテーマに、東京博善の職員へのインタビューを通じて、当時の火葬場運営の実情や火葬場職員が果たした役割について紹介されています。コラムを掲載しますので、ぜひお読みください。

 火葬場は、人生の最終段階において、故人とご遺族を支える重要な社会インフラです。当社では今後も、故人とご遺族に寄り添う火葬場運営を通じて、その社会的役割を果たしてまいります。

 

 

コラムテキスト

コロナ禍の火葬 ― 落合斎場を訪問して
黒川雅代子

 

1. はじめに
これまで筆者は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ感染症と略す)で亡くなられた方の遺族会を開催してきました。参加者の方から、「収骨できず、対面は遺骨になってからだった」「受け取った遺骨が、本当に故人のものであるかどうかの実感がない」といった話をお聞きしてきました。
火葬は大切な人との最期のお別れの場であり、収骨は大切な人が亡くなったことを物理的に理解する大切な儀式であると考えます。遺族がその場にいない収骨はどのような形で行われるのであろうか、せめてその様子を遺族に届けることができないだろうかと考え、知り合いの葬儀社の方に仲介をお願いし、火葬場を訪ねることができました。
2025年6月、広済堂グループ東京博善・落合斎場を訪ねました。全国の火葬場の運営主体の多くが自治体であるなか、東京博善は東京都内6カ所の斎場を運営し、東京23区の約7割の火葬を担っておられるそうです。
コロナ感染症で亡くなられた方のご遺体への対応、火葬等については、厚生労働省と経済産業省の連名で、「新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方及びその疑いがある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」(令和2〈2020〉年7月29日)が出されました(最終改訂第4.1版)。そして、令和6(2024)年5月10日付で廃止されました。
コロナ禍は。本ガイドラインに則って処置、運搬、葬儀、火葬等が実施されたと考えられますが、ご遺族からの話をお聴きする限り、実際には対応にかなりの差があったのではないかという印象を持っています。
本コラムは、あくまでもコロナ禍の火葬の一例として、東京博善のヒアリング内容をそのまま紹介したいと思います。

 

2. コロナ禍の火葬についてお教えください
コロナ禍では、コロナ感染症で亡くなられた方の火葬と、コロナ感染症以外で亡くなられた方の火葬を、時間を分けて行っていました。コロナ感染症以外で亡くなられた方の火葬は、コロナ禍前と大きくは変わっていません。
コロナ感染症で亡くなられた方の火葬は、コロナ感染症以外で亡くなられた方の火葬が終わってから、すべての人の退館後に行っていました。火葬を担当する職員が防護服を着用し、ご遺体を迎え入れて火葬、収骨後、葬儀社にご遺骨をお返しするという流れです。葬儀社の方も館内には入ることはできせんでした。

 

3. 火葬場職員が行っていたことをお教えください
ご家族が収骨に立ち会われていなくても、ご遺骨はきちんと御御足(おみあし)のほうから頭の順に骨壺へお納めします。ご家族への説明等はありませんが、ご家族がいらっしゃる、いらっしゃらないにかかわらず、対応は同じです。

 

4. 感染に対する恐怖等はあったのでしょうか
最初の1週間くらいは、自分たちにも家族がいるので、本当に恐怖でした。しかし、火葬は必ず必要なことですので、職員は使命感を持って仕事をしていました。

 

5. ご家族が葬儀場に訪ねて来られることはありましたか
正面玄関の前の駐車場から遠巻きに見ておられる方や、直接訪ねて来られる方もいらっしゃいました。お一人お受けしてしまうと、SNSなどで拡散する可能性もありますので、
「お気持ちは重々分かります。逆の立場であればそう思いますが、お立ち会いはできないです」とお帰りいただくことになり、心苦しく思っていました。

 

6. 風評被害等はありましたか
大きな風評被害はありませんでしたが、「ここで火葬するのは嫌だ」と言われたご家族がいらっしゃいました。また、「他の方の棺に触れた職員が、自分たちの火葬を担当した場合、ウイルスが付着しているのではないか」という電話をいただいたこともありました。

 

7. 火葬に立ち会えなかった家族に、お伝えしたいことをお教えください
故人様がとてもお気の毒だと思っていました。病院で闘病中も、最期のときも家族と会えず、そのまま葬儀社から直接ご火葬になっているので、より気持ちを込めて火葬、収骨を行っていました。
葬儀社の方に、「ご遺骨はしっかりなさっていました」など、遺骨の様子をご家族に伝えくださいとお願いしていました。
ご遺骨を受け取られたご家族は、おそらく骨壺を開けて遺骨を見られると思っていましたので、そこをより意識して仕事をしていました。

 

8. おわりに
本インタビューは、多くの火葬場の中の1施設の事例となりますが、ここで出会った職員の方は、制限のある中で使命感を持って、亡くなられた方とその家族に向き合っておられたのだろうと感じました。「看取りや火葬にも立ち会えなかった」、遺族がその見えない部分を想像するとき、心ある職員に対応していただけたと思えたら、最愛の人との死別という出来事に対する意味づけ方が変わるのではないかと考えます。
皆様の大切な故人様も、本インタビューの職員のような方に出会っておられることを願いつつ、筆を置きます。

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