対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、政府や日銀の各種施策の効果などにより、企業業績の向上と所得環境の改善が進み、引き続き緩やかな景気回復が期待される一方、海外については景気減速の影響などが懸念されます。
印刷業界においては、原材料価格の上昇、国内需要の低迷や競争激化による受注単価の下落などが見込まれ、引き続き厳しい状況が予想されます。
このような中、当社グループは2020年(平成32年)をターゲットイヤーとする成長戦略プランとして、中期経営計画「廣済堂パラダイムシフト」に2011年(平成23年)から着手し、既存事業の収益改善と長期的なスパンで成長性が見込める分野での事業の創出と育成に向けて、経営改革に取り組んでまいりました。2014年度(平成26年)からスタートいたしました第2次中期経営計画では、最終年度である2016年度(平成28年)の数値目標を売上高500億円、営業利益50億円と公表しておりましたが、当社グループを取り巻く市場動向や事業環境は厳しい状況にあり、最終年度の数値目標を見直すこととなりました。数値目標の未達に関する原因ならびに当社の対応などを十分に分析した上で、2017年度(平成29年)から始まります第3次中期経営計画を策定し、その内容につきましては2016年(平成28年)11月を目処にウェブサイトなどを通してご説明する予定でございます。すでに、大胆な経営改革を進めるにあたり、社内で横断的なプロジェクトを組成し、既存事業の再構築、成長分野の創生、社内構造改革を主たるテーマとする経営改革に着手しており、社会から必要とされ、競争力のある強い会社、ステークホルダーと共に成長できる会社づくりを目指してまいります。
2016年度(平成28年)は、来年度から始まる第3次中期経営計画を迅速且つ円滑に遂行するための準備の年として、既存事業の収益改善と新規事業の育成・発展に注力し、①業態変革、②選択と集中、③成長分野への挑戦を基本コンセプトに経営改革を進めてまいります。既存事業である印刷、人材、出版、葬祭の各事業とさまざまな分野で新たに立ち上げた新規事業について、社会や事業環境の変化に対応した業態変革を行い、総合的な見地から、「事業ポートフォリオの見直し」「競争力の強化」「サービス業への本格的転換」を推し進め、抜本的な事業の再構築を加速してまいります。
各事業における2016年度(平成28年)の事業戦略は以下の通りであります。

<事業戦略>

  1. 印刷関連事業戦略
    • オフセット印刷主体から脱却し、事業ポートフォリオの拡大と見直し
    • One to One時代に対応するデジタル印刷総合サービスへの展開
    • 福島印刷株式会社との協業によるストック型の収益モデルの構築(DMなどのデータプリントサービス・情報処理)
    • 企画部門の創設と提案型営業の強化
    • IT部門の自社サービスを活用したフルフィルメント サービス(注)、BPO事業の拡大
    (注)通販・ECで商品が注文されてから、お客様のお手元に届くまでに必要な業務全体のこと
  2. 人材事業戦略
    • 事業ポートフォリオの変革。求人広告媒体社から脱却し、求人広告の収益に左右されない人材紹介、派遣、教育・研修を含む総合人材サービス企業への転換
    • 主要営業エリアにおける販促強化
    • 人材派遣、人材紹介事業への積極的な投資
  3. エコビジネス戦略
    • 店舗照明、施設照明を主なターゲットとし、大口顧客開拓と工場・倉庫などの新規市場へ参入
  4. 出版事業戦略
    • 一般図書部門におけるベストセラー、ロングセラーの発刊に向けた企画強化とラインナップのスリム化。出版連動新規事業への進出
    • 教育図書部門における商品体系の見直しと道徳の教科化による市場変化への対応
  5. 海外戦略
    • 中国市場におけるパッケージ印刷事業の強化。高性能な印刷技術と加工技術で高品質パッケージを提供
    • ベトナム、インドネシアでの人材事業の拡大。ベトナムにおける日本語学校事業への進出に伴う業容の拡大とクロスボーダー人材の育成
  6. 葬祭事業戦略
    • 都内に6カ所の斎場を運営し、東京都23区の死亡人口の70%を超える火葬を取り扱うリーディングカンパニーとしての責務の遂行
    • 平成28年12月、全面建て替えした四ツ木斎場の営業再開

廣済堂グループは、1949年(昭和24年)に印刷会社として創業以来、社名にある「廣済」(広く社会に貢献する)を経営理念として、印刷、IT、人材、出版、葬祭などの各事業を通じ、社会の発展と人々の豊かな暮らし創りの担い手として、信頼される企業グループを目指しております。
また、お客さまに必要とされる商品やサービスを提供すべく、お客さまや生活者のニーズの一歩先を読みながら、常に新しいものに挑戦する「進取の精神」で事業展開を進めてまいりました。
当社グループは、社会環境の変化、ライフスタイルや価値観の変化の中で、お客さまに真に必要とされる商品やサービスは何かを探り、提供していく「お客さま第一主義」を今後も追求し、社会から必要とされ、また社会的責任を果たせる企業集団となるよう努めてまいります。
コーポレートガバナンスに関する方針、取り組み内容及びコーポレートガバナンス・コードへの対応状況については、平成27年11月に当社ホームページにおいて開示いたしました。この基本方針の実践と継続的な見直しを行い、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。
少子高齢化による人口減少や国内外のグローバル化の進展などに伴い、多様化する市場への対応も含め、ダイバーシティを生かす施策を推進し、女性の活躍推進ならびに外国人などの登用・活用にも積極的に取り組んでまいります。
加えて、事業活動における環境負荷の低減を図るとともに、環境配慮型製品の開発・提供を通して環境保全に貢献してまいります。
コンプライアンス、リスクマネジメントにつきましては、専門部署を中心とした全社的な教育や専門委員会などの運営により、法令遵守・情報セキュリティー施策・事業継続計画などの実効性を高める活動を継続的に推進してまいります。
株主の皆さまにおかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。